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小説3「地獄の王」

第8章ー寮(3階、1番奥の部屋)
4,「見つかった、遺体の2人。」

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・ 青色の()は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。
・()の中の灰色の文字は、作者による注釈、フリガナです。
・ 太字の「」は、大きな声や音です。
小さい文字は、小声や小さな音を表しています。

目次

「もう来やがった。」

「見つかった、遺体の2人。」

村の居酒屋のケイトさん

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寮の3階1番奥の部屋と周辺の部屋の見取り図

寮の3階、1番奥の部屋内の見取り図です。
下に書かれた1と4の数字は、前回の部屋決めのくじの時(8章-1)
主人公が割り振った数字です。(2023年9月29日、編集しました)

「もう来やがった。」

私たちが、脱衣所で体を拭いていると
ドン!ドン!ドン!
誰かが、ドアをノックしている音が聞こえてきた。
「うげっ! あいつら、もう来やがった。」とバッカス
「まだ、30分ありますわよ。」とオフィーリアは、隣の部屋の置き時計を見る。
「もうちょっと、ゆっくりさせろよ。」とマーズちゃん
私は、浴衣を羽織りながら
「どうする? 30分早いけど、中に入れる?」
「そうですわね。早く始めて早く終わらせましょ。どうせ、ずっと待ってるし、みーちゃん(主人公)の話を早く聴きたいわ。」とフローラ
「決まりね。」とアルテミス
「しょうがねえな。」と言いながらマーズちゃんは、脱衣所を出てドアの方へ行く。
しばらくして
「マーズ様、私たちのこと嫌いになったんですか?」
「別に、嫌いになったんじゃねえよ!」
マーズちゃんと部下たちの声が、ここまで聞こえてきた。
私たちが苦笑いしながら脱衣所を出ると、マーズちゃんが、パジャマ姿のトカレフたちを和室に
招き入れていた。
「あっ、どうも。」
トカレフたちは、私たちに気まずそうにしながら和室に入ると、さっそくマーズちゃんの指示で、座卓を部屋の中央に置き、その周囲に座布団を置いていったりしている。
「すみません、おじゃまします。」
サイケたちとヒアキッソスたちが、入ってきた。
その後ろから、ナナとミミが
「すみません、私共の姫は?」
「奥の和室にいる。あっ、この箱、和室の方に持って行って。」
「はい。」
笑顔でナナとミミ、それとサイケが箱を両手に持ち、和室の方へと歩いて行く。
ハピラキが
「あっ、バッカス様、箱はどこに置きますか?」
その会話を聞きながら、私は先ほどの椅子に座り、再び鉛筆とメモ帳を取り出す。
ふと思い出して、テーブルを傾けてみる。
テーブルの裏に1枚の長方形の紙が、透明なテープで貼り付けられている。

テーブルの裏に貼り付けられた写真

「見つかった、遺体の2人。」

テーブルの足の跡は埃がたまっている以外、さほど変わった所はない。
(あまり掃除してないなそれもそうか、隠れてたから・・・)
キャー、おいしそう!
和室の方から歓声が聞こえてきた。
「何をしているんですか?」
副隊長の声がして、テーブルが軽くなる。
「ちょっと、そのまま持ってて。」
長方形の紙の4角(スミ)を貼っているテープを剥がす。写真のようだ。
アルテミスがテーブルを回り、私の後ろで
「あらっ、そんな所に・・。」
「うん・・・。」
私は剥がし終えると、その紙をひっくり返した。
「なるほどね。」とアルテミス
「見つかった、遺体の2人。」

4人の写真

今、みんなが見ている写真です。
メガネの人がマリーさん、右の2人が、遺体で発見された2人です。
この"写真"について、もっと知りたい方は、こちらをクリック

村の居酒屋のケイトさん

テーブルを元に戻してくれた副隊長に、長方形の紙(以下、写真)を見せる。
副隊長はそれを手に取り、その横から部下たちが覗き込む。
藍白が、写真に写っている人たちを1人ずつ指差していき
「こいつは、誰だ?」
写真には、遺体の2人(写真の向かって右側の2人)と寮母のマリーさんと、もう1人
「ケイトさん、村の居酒屋の」と私が言うと
「えっ!?」と藍白は驚いた表情を見せ
「藍白くん、うちの部下と同じ部屋にしたの? タガメくんも。」
「は、はい!うわー名前で呼んでもらった。」と顔を赤くし、タガメも嬉しそうにうなづく。
「良かったな。」
副隊長はニヤリとし、その後ろから
「マジかよ。」
マーズちゃんが隙間から覗き見ており、写真を渡す。トカレフたちも、その後ろから覗き見ている。
その背後から
「どうしましたの?」
オフィーリア、フローラ、バッカス、部下たちも来た。そして、マーズちゃんから写真を受け取り
「えー!? どうして?」とオフィーリア
「あん時、第二都市のことは知らなかったんじゃねえのか?」とバッカス
「隠し事をしているようには、見えませんでしたわ。」とフローラ
アルテミスが私に
「説明しといたほうが良いんじゃない?」
「うん、じゃ、みんな食べながら」と言って、私は立ち上がった。

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(c)虹色らいん - イラスト素材 PIXTA -

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第8章ー寮(3階、1番奥の部屋、作戦会議前編)
5,「第二都市は水の女神がいないから、自分たちで雨水とか地下水とかで確保しないといけないのね。」

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