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小説3「地獄の王」

第4章、砂漠2ー「そいつらは、私や部下を自分達と
同じようにしたいと狙ってて…その方が、部下や私を
コントロールできるから」

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青色の文字は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。

砂漠の中の焚き火の炎

さっそく私が
「じゃあね…マーズちゃんの部下って何人いるの?」
マーズちゃんは、両手を後ろの地面につけ体をそらし
「俺か? 俺は、1、2、3…4人だな、一番目が長い黒髪のトカレフ、二丁拳銃使いのリボルバーに
体の大きいランチャー、爆弾使いのニッカ、全部女だ。」
「みんな銃だけ? 使うのは、刀は使わないの?」と私
「うん…第2都市のやつら、学校に全員集まってるな…追い詰められてんのかな?」
とマーズちゃんがつぶやく。
「んー追い詰められてる、ともいえるし、1ヶ所に集まった方が、効率が良いってのもあるし…」と私
マーズちゃんは体をおこし、隣のオフィーリアに
「さっきのパンフレット、見せてくれ。」
オフィーリアはパンフレットを広げ
「私の部下が守っているのはこの辺かしら? 渡り廊下の辺り?」
といってパンフレット内に描かれた学校と寮、その間を渡り廊下が繋いでおりその学校寄りの辺りを
私に向けて指し示した。

学校の見取り図(パンフレット用)

女神たちが見ているパンフレット内の見取り図です。
わかりやすく説明文を加えています。

そして、マーズちゃんに渡す。
「俺んところは…」と言いながら胡座を組んで座ったままパンフレットを眺め、バッカスとフローラが
立ち上がって、後ろから覗き込んでいる。
オフィーリアが
「私の部下はね、さっき言った藍白(あいじろ)に…藍白は両手に刀を持って、あなたの副隊長のような
感じかしら?」
私はうなずく。オフィーリアは続けて
「で、体の大きいのがタガメ、ハンマーを持ってるの力が強いし、で後は双子のナナとミミ、前髪で
目が隠れているんだけど黄色い髪が姉のナナ、緑色の髪が妹のミミ、4人とも藍白を中心に動いているわ
あーでも押され気味ね私がいないから、自分を奮い立たせるために、私を何度も呼んでいるわ。」
私は「うんうん」と2回うなづき、
「藍白くんって、さっきも言ってたけど、強くなりたいの?」
「みたいよ、あなたの副隊長さんがとっても強いから、自分もって思うんでしょうね。」
私はうなづく。(うちの副隊長によく声をかけているのは、自分も強くなりたいからか…
部下が主人の女神を守るのは、ある意味生まれもっての『使命』みたいなものだし…)

バッカスが、マーズちゃんからパンフレットを受け取って立ち上がり
「俺んところは体育館だな、っていうか体育館に都市のやつらが全員集まってるみたいで、で
その中を俺の部下とフローラの部下で守ってる、で、俺の部下は、ピアノの得意なサイケいつも
会議に来てるやつな、で金髪のメロディーって男だけど、でハピラキこいつは女だ、以上。」

フローラがパンフレットを受け取り
「私の方は、会議にいつも私と来ているヒアキッソス、で他は、女の子のローズ、でもう一人
子供のように小さいのがヒマワリ、とても明るくて…今も気が滅入っている都市の人たちを
元気づけているわ。」
私はうなずき
「私の方は、えーと三方に散っている、坊主頭のアオバとちょっと背の低いヨシツネと
副隊長は知ってるよね、で副隊長が中心になって動いているかな、やっぱり。」
というと4人ともうなずく。続けて、他の4人の部下がどこにいるのか(2-1)説明するとバッカスが
「いいのかよ、リリスのやつがメガネを狙ってるぜ。」
「えっ!? そうなんだ、リリスの部下って…」
「いつも来てるララだけだ、他はクマとウサギとネコがいるが3匹ともリリスのぬいぐるみだぜ。」
「へぇーなんで?」と私
「嫉妬が嫌なんだってよ、芸能も容姿も嫉妬がすごいからって…。」
「ふーん…なんかよくわかんないけど、大変なんだね、でも、まあ確かにメガネ、リリスと一緒に
ステージやってるしギャラリー巡ったりしてるからなあ…半分、部下って感じだしな…」
オフィーリアが真剣な表情で
「バッカス、お酒を注いでいただけます?」といってコップを差し出す。
「おう、どうした?」とバッカスは言われた通り酒を注ぎ入れ
「ちょっと今から、あまり周りに言いたくない話をいたしますの、よろしくって?」
「よろしくって言われても…なぁ。」とマーズちゃんが困った表情で私を見る。
「何?」と私はオフィーリアを見
「もう一杯!」再び注いでもらったお酒を飲み干し
「ふー、みなさん、部下と寝たことありますの?」
「うん。」と私とマーズちゃん
「マジかよ!」とバッカス
「私も…ありませんわよ。」とフローラが身を乗り出す。
私はオフィーリアに
「藍白くん? っていうか、それっぽいの藍白くんしかいないし、私の部下の真似をしてまで
強くなりたいって思うぐらいだからと思って。」
オフィーリアがホッとした表情で
「バッカスとフローラは、まだまだですわね。」
「あー確かにサイケのやつ、恋愛感情あるからなぁ」とバッカスは、両手を頭の上で組み
ゴロンと後ろに倒れて仰向けになる。
「私もいつかヒアキッソスと…ありえるかも…」とフローラも仰向けになってため息をつき
空を見上げる。
「マーズちゃんは? 女の子ばかりなのに…」と私は聞いてみる。
「んーいろいろな…あるんだよ、男よりってのが…で、今みたいにこうやって女同士で話してたり
一緒にゴロゴロしてたりするとつい、変な気持ちになる、というか…お前は? 地獄の奴らに
示しがつかないだろう?」
「うん、だから仲良くするのはいいけど、あまりイチャイチャするのはいけないし落ちていくのは
簡単で、だからそういうブレーキの効かないのが亡者なんだけど、しかも、そういうやつに限って
自分と同じような奴かどうかというのをすぐ見抜くわけ、で、そいつらに見抜かれないように
しないといけないんだけど…そいつらは私や部下達を自分たちを同じようにしたいと狙ってる
んだけど…そのほうが私や部下達をコントロールできるから…で引きずり込まれたのがいる、で
そのままだと仕事にならないから、私が処理してあげたってところかな?」
「誰?」とオフィーリアが目をキラキラしてきいてくる。
「内緒、本人の名誉のために言わない。」
「えー!?」とオフィーリアは不満を口にし
「ソウイチロウさん?」とフローラ
「フローラ、ソウイチロウが好きなの?」と私
「話、そらさないでよ。」とフローラも不満を口にする。
「メガネだろ、あいつひ弱なところあるから」とバッカス
「言っとくけど、メガネは武器マニアだから。」
「例えば?」とマーズちゃん
「んーピストルからバズーカ砲やロケットランチャーまで、いろんな物が出せるよ。」
「へーうちの部下達に教えて欲しいなぁ。」とマーズちゃん
「そうだね、また機会があれば…。」
「ふわぁ! 眠い…」とオフィーリアが目をこすり横になると、またたくまに心地よい寝息をかき始めた。
やがて、バッカスとフローラも寝たようだ。マーズちゃんも横になってウトウトし始めた。

次回
第4章、砂漠3ー「お互い、部下を持つと大変よね。」

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