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小説3「地獄の王」

第20章、第二都市(住宅街とB地区)
3,「まさか地獄姫がこんな所に来るわけないって、
普通は思うよな。」

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・青色の()は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。
・灰色の()は、作者による注釈、フリガナです。
・太字の「」は、大きな声や音です。

目次

二手に分かれて

B地区

由美ちゃんの図書カード

バッカスも来たので

藍白とアーサーとトカレフたちが来たので

キングとサイケたちが来たので

次回

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二手に分かれて

私と部下たちは、寮の二人部屋の窓からライガが出てきた塀の近くに行く。

第二都市全体の見取り図(澪ちゃんと部下たちがいる所)

B地区を含めた虹池までの第二都市の地図です。
寮の二人部屋の窓からライガが出てきた幻覚のシーンは、18章-1にあります。

私は地図を広げて
「んー ・・・・・」と考え込み
「やっぱり、森を行きますか?」と副隊長
「うん、マーズちゃんたちには、あー言ったけど、せっかくだから森も行こうか。で、森の中の一部分
だけ枯れている所があれば、教えて欲しい。たぶんフローラが、「並木道の木は枯れている様子もなかった」って言ってたから(10章-1)、この虹池までの半分でいいと思う。で、森を行くのは、アオバ、ヨシツネ、副隊長。」
「隊長は、どうするんです?」と副隊長
「私は、Bの周辺を行く。」
「わかりました。」
アオバとヨシツネもうなずく。
「パーン!!」
屋上で豪華な赤い椅子に座ったキングが、得意そうにライフルを高々と空に向け、発射した。
「じゃ、行くよ。」
「はい、お気をつけて。」と副隊長
「みんなも。」
部下たち4人は、虹池がある森の方へ、私は、Bの方に向かって走り出した。

2、3人並んで歩けるぐらいの幅の道が続いている。
左側は、雑草と数歩行った先に生い茂る森、右側には、2階立ての住宅のような建物が並んでいる。
住宅の間などを注意して見ているが、亡者たちに会わない。
(この様子だと、早く終わりそう。)

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B地区

B地区の地図

B地区と、その周辺を図示しています。

B地区まで来た。
市長さんが言うように、10mぐらいの崖に四方を囲まれている。
その囲まれている中に、木造の2階立ての住宅や作業場が所々密集して立ち並び、その間を、多くの亡者たちがウロウロと歩き回っている。

しばらく眺めていると
「なかなか、やりごたえありそうじゃねえか。」
マーズちゃんが、後ろから来た。
「マーズちゃんの方は、終わりそう?」
「うん。」と、後ろを振り向く。
私も振り向き、学校の屋上の方を見ると
キングが、複数の刀剣を亡者たちにあびせ、その度に
「おおー!」
「パチパチパチ!」
歓声と拍手が、周囲から湧き起こる。

「あらっ、もう、ここで終わりですの?」
フローラが、花の種を蒔きながらやって来た。
後ろから、ついて来ていたようだ。
「あれがB地区。」と、私は手で指し示す。
彼女は両手で口を覆い
「まあ。」
「崖になっているから、はい上がって来れないし、住宅街の方は(亡者たちが)いない様だから、早く
終わりそう。」
「良かったわ。・・・ところで、澪ちゃんって、地獄姫に頼まれて来たんでしたっけ?」
「うん、聞いてたんだ。」(前回)
「まあ、まさか地獄姫がこんな所に来るわけないって、普通は思うよな。」とマーズちゃん
「えっ、なんで?」
「地獄姫がいなくなったら、地獄はどうすんだよ?」
「えっ、だから、」
「あらっ皆様、こんな所で、油を売っていらっしゃったのね。」
オフィーリアが、1人で来た。
「ナナちゃんや、ミミちゃんたちは?」と私
「澪ちゃんと同じ、『忘れ物を取って来る。』と言って、寮の方から来ましたの。」と得意そう
「やるじゃねえか。」
「本当に忘れ物をしたんだけど・・・。」
「さっき生徒さんから、何をもらっていらしたの?」とオフィーリア

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由美ちゃんの図書カード

私は、カバンから取り出すと
「これ、図書カード! 由美ちゃんが、交霊術の本を図書室で借りてたらしくて、これが、
その本みたい。」

由美ちゃんの図書カード

そのカードの最後の欄には、『Sー16287』という番号が書かれている。
「交霊術って、降魔術と同じことですの?」とオフィーリア
「うん、昔は交霊術って言ってた。今みたいに呼び出す必要は、あまりなくなったから、降魔術って言ってるだけなんだけど・・・・」と言った後、誰かが『地獄の門が開くで。』と言っていたのを思い出す。
(誰だったっけ?・・・)この人も、顔が真っ黒で思い出せない。ただ、眼鏡を掛けているのはわかった。

「見せて見ろよ。」
私がマーズちゃんに図書カードを渡していると、A地区の方の森から、ガサガサと草木のこすれあう音がして、副隊長たち3人がやって来た。
「お疲れ。」と私
「お疲れさんです。」と副隊長たち3人
「どうだった?」と私
「特に変わりなかったですよ。」と副隊長
私がうなずくと
「昼からB、するんすか?」とアオバ
「うん、早く終わりそうだし。」
私はB地区に目を向け、他の人たちもその方に目を向ける。

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バッカスも来たので

「お前ら、何やってんだよ。」と、後ろからバッカス
「あっ、てめっ!お前まで来たら、キングにバレちまうだろうが。」とマーズちゃん
「きさまらっ!わしにばかり、させおって!」と、学校の屋上からキングの怒鳴り声
その近くで、サイケとメロディー、ハピラキが
「わあー!バッカス様、いつのまに?!」と慌てている。
「退屈でさ、都市のやつらも出てきているぜ。」

「返すぜ。」
マーズちゃんが、図書カードを差し出す。それを受け取り副隊長に
「見る? 最後の欄が、由美ちゃんが借りた交霊術の本。降魔術と同じことなんだけど・・・。」
バッカスがBを眺め
「昼からこれか。」
「うん。」と私
「この本、前にも1回ほど、お借りしていますわね。」とフローラ
オフィーリアも覗き込み
「きっと、交霊術の練習をしていたのですわ。」
そのよう・で・す・わ・ね。」と、少し怖い表情のナナとミミ
「あら、ナナ、ミミ。」と、オフィーリアは苦笑い

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藍白とアーサーとトカレフたちが来たので

後ろから来た藍白とタガメに、副隊長が
「どうだった?」
「とりあえず、ヒドルの隕石の落ちた山の下まで行って来た。で、アーサーとトカレフと、銀河連合のアーチャーって人も集まって来たけど、王があー言ったもんだから、みんな、こっちに向かってる。」
と言ってると、(アーチャー以外の)当人たちと部下たちが来て、B地区の崖近くまで行き
「わあ、これがB地区だね。」とニッカちゃん
ヒアキッソスたちも来て、「わー。」と言いながらB地区を眺める。
トカレフが
「澪様、昼からここですか?」
「うん。そっちはうまく行った?」
「はい。」
アーサーたちも、うなずいている。

フローラが
「図書室って、あの(合宿)部屋の上にあるんですわよね。」
「そうだね。」と、私は、昨夜のライガの校舎内探索(18章-2)で、気になったのを思い出す。
「あまり良い雰囲気じゃなさそうですわよ。あの女生徒さんも、ジメッとしてて、良い雰囲気じゃなくて、暗くて、どこかから化け物が出て来そうって」
「うん、・・・だからルナの話をきいてからに、しようかなって。」

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キングとサイケたちが来たので

「バッカス様!」
サイケたちが走って来る。
キングが私を指差し
「きさまらっ!わしを働かせおって、自分は楽をしようという考えであろう!」
「じゃあ、お昼は、ゆっくりしてたらいいよ。昼からは、ここをするから。」と、私はB地区を指差す。
キングはB地区を見下ろし
「うむ。これならば、楽をするわけにもいくまい。」と機嫌を直す。
昼食を取るために、学校へと歩き出した。

私は歩きながら
「ねえ、フローラ、植物が元気がないのって、学校からでも、わかる?」
「あーある程度なら、わかりましてよ。ただ、自分の目で見た方が安心ですわ。」
「じゃ、それって、木でもできる?」
「あっ、わかりましたわ。あの木たちが、全員元気かどうか、わかるかって言いたいんでしょ?」
「うん、それだったら、寮や学校でいる時に、もし、どこかの木が枯れてるってわかったら、すぐそこに駆けつけられるし・・・・。」
その横で、ヒアキッソスたちも「うん、うん。」とうなずいている。
「そうですわね・・・やってみますわ。」
「うん、駄目元で。」
「まあ、ひどい! 絶対、成功させてみせますわ。」
フローラはふくれ、ヒアキッソスや部下たちが笑いだす。他の部下たちも笑顔になった。

「カン、カン、カン・・・」
校舎の方から小気味良い金槌の音と、都市の人たちの
「おらよ!」
「もういっちょ!」と言った掛け声が、聞こえてきた。

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第20章ー第二都市(中庭、食堂)
4,「式神です。」

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