第4章、砂漠
1,「俺のステージに来てたぜ、2、3ヶ月前だったかな。」
・青色の()は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。
・灰色の()は、作者による注釈、フリガナです。
・太字の「」は、複数人の声です。
目次
2025年 10月 25日、編集しました。
夕食の続き
私の前には、真っ暗な闇が広がっている。
(ここまで来れば、大丈夫かな?)
マーズちゃんが、ジャンパーの左右のポケットから、先ほど焚き火に使っていた木(3章-1)を
5本取り出し火をつけて
「ほらよ。」
それを1本ずつ、私と女神たちは手に取った。
オフィーリアが、私の横でうろうろしながら
「どこかに窪地はないかしら? 水を入れてお湯になったら、お風呂に入れますでしょ。」
「どうやって沸かすんだよ。」とマーズちゃん
私はフードを脱ぎ
「いいよ。明日には着かないと、みんな、もたない。」
「もう、この辺で休みませんこと? この先どうなっているか、まったくわかりませんし。」とフローラ
「うん、火をくれ。」
私たちは、火のついた木切れを戻し、マーズちゃんが焚き火を作る。
その周りに座って、居酒屋で持ち帰りにしてもらった料理の入った箱を開けて、食べ始めた。
バッカスが得意げに
「じゃあん!」
正八角形の鏡を取り出す。そして、自分のコップに、その鏡から酒を注ぎ始めた。
「おい! おまえら、その水、飲め、その水。せっかく、この俺が酒をやろうってんのに。」
私はコップの中の水を飲み干して、差し出しながら
「すごいね。あの(1章の)後、すぐそれを作ったの? しかも正八角形だよね、それ。」
バッカスは特異満面に、鏡から酒を注ぎ入れながら
「あのな、俺は、あのリリスの妹だぞ、これくらい朝飯前よ。」
「ありがとう。」
私は受け取り、口に含む。(うん、おいしい。さすがバッカスの酒だ。)
女神たちも口に含み
「おいしい!」とフローラ
「おいしいですわ。」とオフィーリア
「あそこ(居酒屋)の酒も、うまかったけどな・・。」とマーズちゃん
フローラが私に
「ところで『子供が行方不明』って、何か心当たりがありますの?」
「うん。」
私は、コップの中の酒を飲み干し
「いいぞ、飲め飲め。」
バッカスが嬉しそうに、もう一度、私のコップに酒を注ぐ。
ハップルの罪
しばらく私は、コップの中の酒を見つめていたが
「ハップルの罪は何か、アルテミスからきいた?」
4人は、首を横に振る。
「ハップルはね、人体実験、特に子供を使った・・もし、ハップルがここに来て、私の鏡を盗んだとしたら、次は何かなって・・アルテミスがくれたハップルの資料に書いてなかった?」
私はカバンの中から、ハップルについての用紙と似顔絵を取り出す。
女神たちも、自分のカバンから同じ物を取り出し
「あらっ、書いてますわ。」とオフィーリア
「ぬかったぜ!」とマーズちゃん
「時間がなくて・・・・。」とフローラ
「こいつさ、俺のステージに来てたぜ、2、3ヶ月前だったかな、 この星のやつじゃねぇって、気づいたんだけどさ・・・。」とバッカス
「演奏は、バッカスの部下?」
「うん。」
「部下たちは、何か言ってた? こいつ見て。」
私は、似顔絵を顔の前に持ってくる。
「いや・・・何も、っていうか、あの後すぐ、部屋に入って鏡作ってさ、フローラんとこ行って、」
「バルコニーにバッカスが、リュックサック背負って立ってますのよ、家出をしたのかと思いましたわ。」とフローラ
「家出は大げさだろう。」とマーズちゃん
「私は『絶対する』と、思ってましたわ、バッカスが黙っている時って、良からぬ事を考えている時しか
ありませんもの。」
「アッハッハ」
私とマーズちゃんとオフィーリアが笑う。
バッカスは、本当のことを言われているが機嫌が良いようで、怒らずに口元に笑みを浮かべて、コップの中の酒を眺めている。
オフィーリアが、ため息をつくように
「さ、明日は、日の出と共に出発しませんと・・部下たちが、必死で私の名前を呼んでいるのが聞こえますの。」
「眠たかったら寝てていいよ、見張っているから。」と私
フローラが
「あまり眠たくありませんわ。何かお話し、しません? せっかく部下たちもいないし、5人だけなんですから。」
フローラの申し出により、ガールズトークが盛り上がりそうです。
次回は、女神たちが自分の部下を教えてくれます。
次回
第4章ー砂漠
2,「そいつらは、私や部下を自分たちと同じようにしたいと狙ってて・・・
そのほうが、部下や私をコントロールできるから」


