虹色らいん.com

小説3「地獄の王」

第9章ー寮(3階1番奥の部屋、夢の中)
1,「地図を渡したでしょ。」

表紙に戻る

目次に戻る

前のページに戻る

この部分の文章は、主人公が見ている夢です。

今回は、夢2の中にホラー要素が含まれています。
作者がグロシーンと判断したので、非表示にした部分があります。

noteでは見ることができないので、話の内容に影響することはありません。
表示(閲覧注意)」のボタンをクリックすると見ることができますが、自己判断でお願いします。
再度、「表示(閲覧注意)」のボタンをクリックすると消えます。

()の中の文字は、作者による注釈、フリガナです。
【】の中の文字は、心の声や亡くなった人の声です。

夢以外の文章について

・ 青色の()は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。
・()の中の灰色の文字は、作者による注釈、フリガナです。
・【】の中の文字は、心の声や亡くなった人の声です。

目次

夢1「砂漠と由美ちゃん」

夢2「20人の生徒」

【来てくれてありがとう。】

次回

2024年 4月 6日、更新しました。

広告

109752821

(c)虹色らいん - イラスト素材 PIXTA -

夢1「砂漠と由美ちゃん」

昨日、ほぼ半日かけて歩いた村からA地区の砂漠の道を、由美ちゃんが、マントのフードをかぶって照りつける日光を防ぎながら、村のある方へと急ぎ足で歩いている。
由美ちゃんの心の声が聞こえる。
【もう無理・・・もうこれ以上歩けない・・・いつになったら王宮に、たどり着けるの? 道を間違えているのかな?・・・。】
そして、とうとう立ち止まり、下を向いて「ハアハア」と息を荒げ
【もうやめよう・・図書室で教えてもらった交霊術・・さっちゃんも誘って、お腹の張るのを治してもらおう、とか言って・・・地獄姫様はなんでも知ってるんだから、あれもどうしたらいいか教えてくれるはず・・・。】

昼の砂漠


上記の夢の中の情景を、音楽で表現してみました。
 イラストは、昼の砂漠のイメージです。
曲について、より詳しく知る

場面が変わった。

夢2「20人の生徒」

学校と渡り廊下と寮の見取り図

学校と寮の見取り図です。

20人ほどの女生徒たちが学校を出て、渡り廊下を走り抜け、寮の扉へと殺到する。扉が左右に開き
木花 咲子さん(以下、木花さん)が姿を見せ
「みんな、こっちよ早く!」
続々と女生徒たちが入って行く。全員が入ると、木花さんは周囲をうかがいながら扉を閉めた。
その様子を、校舎の3階の廊下の窓から河原 幸子さんが見ている。頭を打ったのか、さすりながら・・・。

ページ上部に戻る

寮の1階と3階を合わせた見取り図

寮の1階と3階を合わせた見取り図です。。

再び場面が変わり、先ほどの女生徒たちが逃げ込んだ寮の中。
木花さんが
「みんな、ここは危ないから3階へ。」
生徒全員が何の疑問も持たないように、まるで導かれるように入って左手の階段(入ってすぐの
『女性の部屋』の方の階段)
を我先にと駆け上がって行く。
3階に行くと手すりの所に、黒い服を来た偽の寮母さんが立っていて、二人部屋(校長先生が
ナナとミミに勧めていた、見取り図の右上)
のドアを開けて
「さあ、みんな、この部屋の中へ」
と待っている。そして女生徒たちは吸い込まれるように、そのドアの中へと入って行く。

中にはイモ虫(ヒドルではなくライガ)がいて、次々と入って来た女生徒たちを喰い殺して行く。

最後の一人がようやく気づき、震えながら後ずさって部屋から出て来たところを偽の寮母さんが
「ドン!」と背中を押し、ドアを閉めた。

中から女性の断末魔の悲鳴が聞こえるも、しばらくしてそれも聞こえなくなった。

階段から木花さんが上がって来た。満足気な偽の寮母さんの顔とは違い「これでいいのか?」と
いった戸惑いが、顔に現れている。
その下の食堂のテーブルの上を、ピンクのイモ虫(ヒドラ)が目にも止まらぬ速さで、右腕がない
由美ちゃんを咥(クワ)え、食堂にいる遺体で発見された2人を長い体に巻き付け、機械室から出て来た本物の寮母さんも道連れに入っていく。(遺体発見の経緯については第6章を参照)
機械室のドアが、「ギー」という微(カス)かな音を立てて閉まっていく。
一方の、3階の手すりの所にいる2人は気づいていない。
木花さんが
「この後、自分で寝床に行くのよね?」
「ええ、窓を開けといたから・・地図を渡したでしょ。これは、みんなにも内緒よ。あなたと私だけのヒ・ミ・ツ。」

【来てくれてありがとう。】

寮の3階1番奥の部屋の見取り図

寮の3階1番奥の部屋の見取り図です。(2023年12月27日更新)

私は夢から半分覚め、ウトウトしながら起き上がる。
そこは寮の3階の奥の部屋の和室で、私と女神たちが布団を敷いて寝ている。
外に出ると、アルテミスが寝室の学校側の出窓に両肘をついて、じっと学校の1階の方を見ている。
(そういえば、あそこ、客や職員用の出入り口・・・。)
私は声をかけずに、廊下の方へ歩いて行く。私を待っている人たちの声を聴きに・・・

寮の3階の見取り図

廊下の二人部屋の前の手すりには、先ほどの夢で、その部屋に入って行った女生徒たちが
【来てくれて、ありがとう。】
【みんなを守ってね。】
と口々に話しかけてくる。
手すりから下を見ると、食堂に遺体の2人と本物の寮母さんが
【あいつを、やっつけてくれて、ありがとう。】
【見つけてくれてありがとう。】
【ありがとう。】
右腕のない由美ちゃんも
【来てくれてありがとう。木花 咲子に見つかる前に、地図を捜して、あいつを殺して。】
私が「了解した」という感じでうなづくと、女生徒たちや食堂にいる人たちが、次々と白い発光体となって天に登っていき、最後に由美ちゃんが涙を浮かべながら
【私の右腕を捜して、そこに地図もあるから。】
と訴えながら、白い発光体となり消えていった。

次回
第10章ー寮(3階1番奥の部屋)
1,「なんで金具だけ、ついてんだ?」

ページ上部に戻る